【1月16日 People’s Daily】珠江を挟んで広州市(Guangzhou)のランドマーク「小蛮腰(くびれて美しい女性のウェスト。広州塔の愛称)」の対岸、猟徳橋のたもとに2階建ての白いビルが立っている。

「毎晩散歩で通るたびに、立派な建物だと思っていたが、まさか変電所だとは思ってもいなかった」。近隣の男性住民の何さんは、一般公開日の訪問後、変電所に対する印象が大きく変わった。

 スタッフによると、この変電所は広東省建築設計研究院(GDAD)の陳雄(Chen Xiong)副院長を招いて設計を行い、建物と緑化・景観を一体化させ、変電所の科学普及センターとしての機能も持たせ、従来の変電所の概念を超越させた。

「変電所を単なる地方自治体の公共施設から市民に愛される公共建築にするにあたり、我々は公開性・公共性を設計上で非常に重視している」。デザイナーの陳雄副院長は、優れた公共の場の最も重要な機能は、人々が快適に過ごせ、その場から離れたくなくなるようにすることだと考えている。「小さなプロジェクトは見過ごされがちだが、しばしば都市の品質向上のうえで重要な役割を担っている」と述べた。

 入念に設計された変電所は、都市計画建設の細分化、品質化レベルを向上させようとする広州市の取り組みの縮図といえるだろう。粤港澳大湾区(広東<Guangdong>、香港、マカオベイエリア)の中核エンジン都市の1つとして、この国家的歴史文化都市は、高品質の生産・生活・エコロジー空間の形成を発展における優先事項の1つとしており、情操教育、パブリックアート、環境全体の質に対する市民の要求に常に寄り添っている。

 2019年以降、広州市はコミュニティデザイナー事業を模索し、専門分野のエリート人材を集め、現在、コミュニティデザイナー344名、農村プランナー163名を採用し、都市や農村の各街道(町内)やコミュニティに常駐させている。

 珠江に隣接する海珠区(Haizhu)琶洲島では、相次いで立ち上がったビルは、それぞれの特徴を持ちつつ全体の調和をとっている。騎楼街道は、地元の嶺南地区の要素を融合させ、快適なビジネス環境を構築した。建物は渡り廊下で連結し、文化の根底にあるものを際立たせ、市民が使いやすい利便性を強調するスタイルにしている。ここは多くのIT企業が入居している1千億級の琶洲ITイノベーションの集積地だ。

 琶洲管理委員会建設促進科の姚響(Yao Xiang)科長は、集積地の発展プロセスにおいて、広州市は全プロセスの管理を行い、高品質の計画により、よりコンパクトなレイアウト、より人にやさしい標準、最大限の集中的かつ経済的土地と河川資源の利用、産業チェーンの拡張と企業の発展のためにギャップをうめようとしている。(c)People’s Daily/AFPBB News