【1月9日 AFP】ブラジルの首都ブラジリアで8日、ジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領の支持者が暴徒化し、連邦議会や大統領府、最高裁に大挙して侵入した事態について、米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領ら世界の指導者が激しく非難した。

 記者団に対し一言、「言語道断」とだけ述べたバイデン氏は、後にツイッター(Twitter)への投稿で先週就任したブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)新大統領への支援を約束。

「ブラジルの民主主義と平和的な権力移譲に対する襲撃を非難する。われわれはブラジルの民主主義制度への全面的な協力を約束し、ブラジル国民の意志が損なわれることがあってはならない。私は@LulaOficial(ルラ大統領)と引き続き一緒に働くことを楽しみにしている」と書き込んだ。

 チリ、コロンビア、ベネズエラなど南米諸国の指導者も、ボルソナロ氏の支持者による襲撃を非難。アルゼンチンのアルベルト・フェルナンデス(Alberto Fernandez)大統領は「クーデターの企てだ」と断じた。

 欧州の指導者も、非難を表明した。フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は「ブラジルの民意と民主主義制度は尊重されなければならない!」とツイート。欧州連合(EU)外相に相当するジョセップ・ボレル(Josep Borrell)外交安全保障上級代表も「過激派による今日のブラジリア官庁街での暴力行為と不法占拠に絶句している」「ブラジルの民主主義は、暴力や過激派に打ち勝つだろう」と投稿した。

 イタリアの極右指導者、ジョルジャ・メローニ(Giorgia Meloni)首相も「無関心ではいられない」とツイート。政府機関に対するこのような攻撃は「容認できないし、いかなる形の民主的な異議とも相いれない」と述べ、「正常な状態の回復」を呼び掛けた。

 米民主党の上院外交委員会のツイッターアカウントは、2020年の米大統領選後のドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領の支持者による米議会襲撃と比較。トランプ前大統領の遺産が民主主義を害し続けていると書いた。(c)AFP