【1月9日 AFP】英国のヘンリー王子(Prince Harry、38)は8日、英民放ITVのインタビューで、10日に発売予定の自伝「スペア(Spare、原題)」について、タブロイド紙の偏向報道から自身を守るために出版を決断したと語った。

 王子は「38年間、自分のことについて多くの人に偏ったりゆがんだりした見方で語られてきた。自身のことを自ら語る良い時期だと感じた」と話した。

 自伝の内容は、発売予定日に先立ってスペインで誤って同国語版が店頭に並び、明らかになった。王子は自伝で、兄のウィリアム皇太子(Prince William)に「襲われた」とする主張や初体験、薬物摂取、アフガニスタン従軍時にタリバンの戦闘員25人を殺害したことなどをつづっている。

 王子はインタビューで、妻メーガン妃(Meghan, Duchess of Sussex、41)が報道の影響で自殺願望を抱いたことに触れ、王室メンバーが敵意ある話のネタをメディアに流し、「共謀」していると非難。「妻と私をおとしめるため何百万語もが費やされてきたのは確かだ」としつつ、「当時、妻にもたらされた痛みや苦しみに王室メンバーがどれだけ関わっていたのか、全く理解していなかった」と振り返った。

 英メディアは、自伝はウィリアム皇太子と父・チャールズ国王(King Charles III、74)を傷つけたが、国王は王子との和解を望んでいると報じている。王室はこの件に関し、公式コメントを出していない。(c)AFP/Anna MALPAS