【1月7日 AFP】メキシコのルイス・クレセンシオ・サンドバル(Luis Cresencio Sandoval)国防相は6日、麻薬王「エル・チャポ(El Chapo)」ことホアキン・グスマン(Joaquin Guzman)受刑者の息子、オビディオ・グスマン(Ovidio Guzman)容疑者(32)を5日に拘束する際に発生した銃撃戦の死者は計29人に上ると明らかにした。

 北西部シナロア(Sinaloa)州クリアカン(Culiacan)で行われた拘束作戦には兵士数千人が参加。「エル・ラトン(El Raton、ネズミの意)」ことオビディオ容疑者を奪還しようとする麻薬カルテル側と銃撃戦となり、現場はさながら戦場の様相を呈した。

 国防相によると、オビディオ容疑者を拘束した後に歩兵大隊が攻撃を受け、指揮官らが殺害された。政府側は10人が死亡、35人が負傷。カルテル側は19人が死亡、21人が拘束された。

 さらに、カルテルの構成員がクリアカン国際空港(Culiacan International Airport)を襲撃し、離陸しようとしていた民間機1機とメキシコ空軍機2機が銃撃を受けた。

 空軍機は「かなりの衝撃」を受けたため、緊急着陸を余儀なくされた。負傷者は出ておらず、同空港は6日に運航を再開した。

 オビディオ容疑者はクリアカンで拘束された後、首都メキシコ市を経由して中部のアルティプラーノ(Altiplano)刑務所に移送された。同刑務所は厳戒態勢が敷かれているが、米国で服役しているホアキン受刑者はかつて脱獄したことがある。(c)AFP