【1月5日 Xinhua News】中国陝西省(Shaanxi)西安市(Xi'an)で続けられている唐長安城東市遺跡の発掘調査で新たな発見があった。遺跡の北東角で窖蔵(こうぞう、穴倉)が発見され、これまでに各種仏像や仏塔の部材など680点余りが出土した。

 東市遺跡は西安城壁の外側、南東約1キロの地点あり、1950年代後半に発見された。試掘調査によると、南北1キロ余り、東西924メートルで面積は約1平方キロ。通路により九つの升目に区切られていた。

 窖蔵は昨年7月初めに発見された。地表の入り口は五角形の縦穴で、穴の底に東に向かって小さな龕(がん、仏像を納めるためのくぼみ)が掘られていた。縦穴からは彩色泥塑像、龕からは窖蔵がそれぞれ見つかった。

 中国社会科学院考古研究所の西安唐城チームのリーダー、韓建華(Han Jianhua)氏によると、窖蔵は東市放生池遺構の南側、東市内を南北方向に走る道路の東側に位置する。窖蔵内の仏像の多くは破損しており、ほとんどに頭部がなかった。龕内はまだ一部しか整理されていないが、小型の泥塑、陶製と石製の仏像、仏塔の部材、仏教の守護神像「天王俑(てんのうよう)」など680点余りが出土した。同チームでは、遺物の保護と情報収集のため、窖蔵全体を研究室に移すことを計画している。

 出土品はいずれも精巧に美しく、多くの仏像には彩色が施されていた。陶製仏像の一部には金箔装飾もあり、唐代の仏教美術様式と製法上の特徴を顕著に備えていた。文献には東市にかつて仏堂があったと記載されていることから、韓氏は窖蔵が仏堂に関係している可能性があるとの見方を示している。(c)Xinhua News/AFPBB News