【1月15日 AFP】ウクライナ側に付いて戦う「自由ロシア軍団(Freedom of Russia Legion)」に加わるロシア人にとって、最も重要なのは秘匿性だ。

 自由ロシア軍団の正確な人数は機密事項であり、所在が明かされることもなく、声明を出す際には慎重に言葉が選ばれる。

 カエサルという仮名を使っている同軍団の報道担当者が、昨年秋にウクライナ軍がロシア軍から奪還したウクライナ東部ドネツク(Donetsk)州の村ドリナ(Dolina)で取材に応じた。

 カエサル氏はロシア語と英語を交えながら、「祖国と戦っているわけではない。(ロシア大統領のウラジーミル・)プーチン(Vladimir Putin)の体制、悪と戦っている」と語った。その上で「私は裏切り者ではない。国の行く末を案じる真の愛国者だ」と強調した。

 自由ロシア軍団は、ロシアがウクライナに侵攻してすぐに創設され、ウクライナ軍の外国人部隊の一端を担っている。そのエンブレムは、突き上げた握り拳に「ロシア」と「自由」という文字でデザインされている。

 カエサル氏によると、同軍団には「数百人」のロシア人が加わっており、2か月間の訓練を経て東部ドンバス(Donbas)地方に昨年5月に配置された。

 軍団の兵士の一部は、数か月にわたって激しい戦闘が続いている東部前線のバフムート(Bakhmut)で任務に就いている。

 匿名を条件に取材に応じたウクライナ関係者は、自由ロシア軍団について「士気の高い熟練した部隊で、任務を完璧にこなす」と語った。志願者には忠誠心を確認するため、数回に及ぶ面接や心理テストのほか、うそを発見するといわれるポリグラフによる検査も課されるという。