【12月31日 AFP】クロアチアは2023年1月1日午前0時に自国通貨クーナを廃止し、欧州連合(EU)単一通貨ユーロを導入する。これでユーロ圏は20か国に拡大する。

 同国はまた、出入国を管理されずに参加国間を移動できる「シェンゲン協定(Schengen Agreement)」の27番目の加盟国にもなる。

 専門家は、ロシアのウクライナ侵攻で食料や燃料の価格が高騰し、世界中でインフレが高進する中、ユーロ導入はクロアチア経済の保護につながると指摘する。

 しかし、国民の賛否は分かれており、出入国管理の撤廃を歓迎する人もいれば、ユーロへの切り替えを心配する人もいる。右派からは、ドイツやフランスといった大国を利するだけだと批判する声もある。

 首都ザグレブの年金生活者の男性は「クーナの方が良かったと思い知らされることになるはずだ。物価も高騰するだろう」と話した。

 一方、男性の妻は「ユーロの方が価値がある」「1月1日になっても何も変わらない。20年間すべてをユーロで計算してきたのだから」と語った。(c)AFP/Lajla VESELICA