【12月31日 AFP】メキシコ南部チアパス(Chiapas)州の先住民族コミュニティーで29日、自動車窃盗の疑いを掛けられた男性が生きたまま火を付けられ殺害されたとみられる事件が発生した。同国では私刑が相次いでいる。

 チアパス州の検察当局によると、事件が起きたのは先住民族ツォツィル(Tzotzil)人が暮らすサンティアゴエルピナール(Santiago El Pinar)。遺体で発見された男性は全身にひどいやけどを負っており、殺人事件として捜査しているという。

 同州では先週、5人の若者が自動車窃盗の疑いを掛けられ、バスケットゴールのリングに裸で数時間つるされたとされる事件が起きたばかり。

 非営利団体コモン・コーズ(Common Cause)によると、メキシコでは私刑が毎年数百件起きており、2021年には42人が死亡した。

 専門家はこうした事態について、犯罪がはびこっているにもかかわらず犯人が処罰されないとの認識が広がっていることが一因だと指摘している。(c)AFP