【12月31日 AFP】記録的な熱波やエネルギー価格の高騰、ロシアのウクライナ侵攻による数百万人の難民化などにより、異例の年となった2022年。今年更新された記録を通じ、この一年を振り返る。

■食料・エネルギー価格

 2月のウクライナ侵攻開始によりエネルギーや食料の価格が高騰し、国連食糧農業機関(FAO)の食料価格指数は3月に史上最高値を更新。欧州のガス料金も過去最高を記録した。

 ユーロ圏のインフレ率は上昇を続け、10月には1997年の統計開始以降で最高の10.6%に到達。11月には1年半ぶりに低下に転じた。

■難民

 ウクライナ侵攻は、欧州で第2次世界大戦(World War II)以来最大の難民の波も引き起こした。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、700万人以上のウクライナ人が他の欧州諸国に逃れ、さらに690万人が国内避難民となった。

 世界全体では、避難民の数が史上初めて1億人を超えた。

■熱波と森林火災

 欧州は今年、観測史上最も暑い夏を経験し、気温が初めて40度を超えた英国をはじめ、多くの国で記録が塗り替えられた。高温や乾燥に伴う森林火災により、欧州では過去最大の60万ヘクタール以上が焼けた。

■ミサイル

 北朝鮮は、米韓の大規模な合同軍事演習への対抗措置として、日本海に向けて過去最多のミサイルを発射。特に多かったのが11月2日で、24時間で23発のミサイルが発射された。

■美術品オークション

 米マイクロソフト(Microsoft)の共同設立者、故ポール・アレン(Paul Allen)氏が収集した美術品コレクションが、16億2000万ドル(約2100億円)で落札された。ポール・セザンヌ(Paul Cezanne)、グスタフ・クリムト(Gustav Klimt)、ビンセント・ファン・ゴッホ(Vincent van Gogh)といった世界的画家の作品が含まれ、米競売大手クリスティーズ(Christie's)による美術品の競売としては史上最高額となった。

 ポップアートの巨匠アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)によるマリリン・モンロー(Marilyn Monroe)の肖像画も、20世紀の作品としては最高額の1億9500万ドル(約260億円)で落札された。