ロシアの年越し、ウクライナ侵攻が影 祝賀ムード乏しく
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■年越し番組の「顔」も不在に
戦時下で新年をどう祝うかというジレンマは、当局や市民を二分している。毅然(きぜん)とした態度を示すために祭典の一部続行を求める声もあれば、全面的な中止を望む声もある。
国営テレビも、毎年恒例の年越し番組の放送内容に頭を悩ませているようだ。全ロシア国営テレビ・ラジオ放送会社(VGTRK)は先月、「国内外の情勢の変化はあるものの、新年の雰囲気」を今年も演出すると約束。ソビエト時代の1960年代から続く新年の歌謡番組「青いともしび(Goluboy Ogonek)」には、「前線から帰還したロシアの英雄たち」が出演する予定だ。
他方で、国営放送の特別番組から姿を消す有名人もいる。ウクライナ侵攻を批判して国外に逃れ、ロシア当局から「外国の代理人」に指定された人気司会者のマクシム・ガルキン(Maxim Galkin)さんもその一人だ。ガルキンさんの妻で、年末年始の歌番組の常連である大物歌手アーラ・プガチョワ(Alla Pugacheva)さんも、今年はテレビに登場することはない。
2014年にロシアがウクライナ南部のクリミア(Crimea)半島を併合する以前には、当時コメディアンだった現ウクライナ大統領のウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)氏が、ロシアの年越し番組で共同司会を務めたこともあった。(c)AFP/Ola CICHOWLAS