【12月29日 AFP】韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル、Yoon Suk-yeol)大統領は29日、領空侵犯した北朝鮮の無人機を軍が撃墜できなかったことを受け、軍の即応能力を強化しなければならないと述べた。

 北の無人機5機は26日に韓国領空を侵犯。うち1機は首都ソウル近郊まで飛来した。これを受けて韓国軍は戦闘機と攻撃用ヘリを出撃させたものの、撃墜に至らなかったことに批判が集中。国防相が謝罪していた。

 尹大統領は29日、国防科学研究所を訪問した際、今回の事態は「容認できない」として、北側に対し「挑発には必ず厳しい代価が伴うことを認識させなければならない」と述べた。

 さらに「平和の実現には圧倒的に優位な戦争準備が必要」だとして、無人機だけでなく領空を侵犯するあらゆる飛行物体への即応態勢全体を見直し、欠陥があれば速やかに是正しなければならない」との考えを示した。

 北の無人機が小さ過ぎて撃墜できなかったと説明していた韓国軍は29日、小型無人機への対応をはじめとする演習を実施。合同参謀本部は、北の無人機によるさらなる挑発行為への防衛能力向上につながる訓練だとしている。(c)AFP