【12月29日 AFP】アフガニスタンのイスラム主義組織タリバン(Taliban)は28日、旧ソ連軍が撤退した後もアフガンにとどまることを選んだ、元ソ連兵バフレディン・ハキモフ(Bakhretdin Khakimov)さんが死去したと明らかにした。

 西部の都市ヘラート(Herat)の法医学部門責任者はAFPに対し、ハキモフさんの死因は暖房器具による一酸化炭素中毒だったと語った。

 ハキモフさんはイスラム教に改宗後、シェイク・アブドゥラ(Sheikh Abdullah)と名乗っていた。

 タリバンのザビフラ・ムジャヒド(Zabihullah Mujahid)報道官は、遺族に哀悼の意を表するとともに、「イスラム教徒になり、この地で結婚し、ヘラートに住んでいた」とツイッター(Twitter)に投稿した。

 ハキモフさんは、ソ連軍の諜報(ちょうほう)部門に所属していた。

 2015年のAFPの取材では、1985年ごろに戦闘で負った頭部の傷を敵でありながら治療してくれたアフガニスタン人は命の恩人だと語っていた。ハキモフさんは「この国に損害を与え、多くの人の命が失われる原因となったことを非常に恥ずかしく思っている」と語っていた。

「アフガン人がとても優しくて、親切だったのでとどまった」

 ハキモフさんは近年、ひげを蓄え、アフガニスタンの伝統衣装を身に着けていた。ヘラートの博物館で勤務する傍ら、治療師もしていた。

 ソ連軍は1979年12月24日にアフガンに侵攻、89年に撤退した。ソ連側はこの間、1万5000人近くが戦死した。(c)AFP