【12月28日 AFP】米国で先月行われた中間選挙で、ニューヨーク州選出の下院議員に当選した共和党のジョージ・サントス(George Santos)氏が、選挙運動中に自身の経歴の大部分を偽っていたことを認めた。それを受けて辞任を求める声が高まっているが、同氏は議員就任を辞退しない意向を示している。

 サントス氏の勝利は、共和党が下院の多数派を僅差で奪還することに貢献した。だが先週になり、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)の報道で、同氏がアピールしていた学歴や職歴の主要部分が虚偽だったとの疑惑や、資産をめぐる疑念が浮上した。

 サントス氏は26日、米紙ニューヨーク・ポスト(New York Post)などのインタビューで、米金融大手のゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)やシティグループ(Citigroup)での勤務歴や、大卒の学歴を偽っていた事実を認め、経歴の「粉飾」を謝罪。他方で「私は犯罪者ではない」とも主張し、1973年にウォーターゲート事件の渦中にあったリチャード・ニクソン(Richard Nixon)元大統領の「私はペテン師ではない」との発言と比較された。

 同氏は自身をユダヤ人だとも偽っていた。この点については「私はカトリック教徒だが、母方の家系にユダヤ人(Jewish)がいたことを知ったため、自分は『ややユダヤ人(Jew-ish)』だと言った」と、滑稽とも言える釈明をした。

 ただ資産をめぐる疑惑は残っており、民主党からは、同氏が選挙資金に関し虚偽の情報を開示して法律に違反した可能性があると指摘する声が上がっている。(c)AFP