【12月27日 AFP】アフガニスタンで実権を掌握したイスラム主義組織タリバン(Taliban)が先週、女子の大学教育を禁止したことを受け、女子学生(18)が25日、単独で抗議活動を行った。

 抗議を行ったマルワさんはAFPに対し、「私は人生で初めて誇りを抱き、強さを感じた。タリバンに立ち向かい、神がわれわれに与えた権利を要求することができたのだから」と語った。

 タリバン復権後、特に今年初めに中心的な活動家が拘束されて以降は、女性主導のデモが減少している。デモに参加すれば、逮捕されたり暴力を受けたりする危険があり、社会的な汚名を着せられる恐れもある。

 今回のタリバンの決定に対し抗議を試みた女性もいたが、デモは即座に解散させられていた。だが、マルワさんの意志は固かった。タリバン警備員が配置されているカブール大学(Kabul University)正門前で25日、アラビア語で「イクラー(読め)」と記したプラカードを無言で掲げた。

「本当にひどい言葉を浴びせられたが、私は冷静さを失わなかった。アフガンの一人の女性の力を、たった一人でも抑圧に立ち向かえるのだということを見せたかった」とマルワさん。他の女性たちも自身の行動に続いてくれることを願っている。

 タリバンは昨年8月に復権した後、以前よりも穏健な統治を約束したものの、女性に対しては厳しい制限を適用している。タリバン暫定政権は24日、アフガニスタンで活動する国内外の全ての支援団体に対し、女性の出勤停止を命じた。これ以前にも、女性たちは公園やスポーツジム、公衆浴場への立ち入りを禁じられている。

 タリバンはこうした女性に対する厳しい規制について、女性たちが頭髪を覆うスカーフ「ヒジャブ」の着用などイスラム法の厳格な服装規定を順守しないことが原因だと説明している。

 画家になるのが夢だというマルワさんは、アフガンは女性にとって刑務所のような場所になってしまったと嘆く。「捕らわれの身にはなりたくない。私には実現したい大きな夢がある。だから抗議すると決めた」と話した。(c)AFP