【12月26日 AFP】「超高齢化」社会に向かって突き進んでいる台湾に、少々風変わりな政党が登場した。「マージャン復権」を党是とする政党だ。

 中国で数百年前に生まれたとされるマージャンは、台湾のとりわけ高齢者の間で人気がある。だが長く続いた戒厳令時代の影響により、法的には微妙な位置付けとなってきた。台湾ではマージャンをプレーすること自体に問題はないが、公共の場での賭博は禁止されている。

 そうした中で台湾の組織犯罪グループは長年、資金稼ぎの一手段として違法な賭けマージャンを主催してきた。その影響で、雀荘(じゃんそう)はしばしば警察の強制捜査や調査の対象となってきたのだ。

 このような状況を変えようと、南部・高雄(Kaohsiung)市にある雀荘のオーナー、郭璽(Kuo Hsi)氏(65)は一歩踏み出し、賭けマージャンの合法化を目標に掲げる「麻雀最大党」を立ち上げた。

 この政党の狙いは、マージャンが「合法的な娯楽」として認定され、賭けマージャンや賞金の授受が許可されるようになることだ。

「賭けをしようと思えば、ジャンケンにだって賭けることはできます。なぜマージャンばかりがギャンブルというレッテル貼りをされるのでしょうか」と郭氏。

「ゴルフやテニス、バドミントンだって、どんな競技にも賞金や賞品はあります。それがあるからこそ、競技者は肉体的・精神的に自分を磨くためにベストを尽くすのです」

 麻雀最大党の党員だという主婦、エイミー・フアンさん(62)は「隠れずに堂々とマージャンをプレーできる日が待ち遠しいです」と話す。

 フアンさんにマージャンを教えてくれた義母は、友人らと賭けマージャンをしたために警察署に連行されたことがあると話し、「ばかげています」と一蹴した。

 党首の郭氏は、台湾の政界で存在感を示すことができるようになるのは、まだずっと先のことだと思っている。昨年の結成以降これまでの党員数は120人だが、それでも年内に1万人の登録もあり得ると「楽観的」だ。