予告編登場俳優が本編からカット ファンは訴訟可能 米判事
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【12月24日 AFP】米連邦地裁判事は22日、予告編に登場していた俳優の出演場面が本編からカットされたことに失望したファンは、虚偽広告として映画会社に損害賠償を求めて訴えることができると判断した。
カリフォルニア州サンディエゴ(San Diego)在住のピーター・マイケル・ロージャさん(45)とメリーランド州在住のコナー・ウルフさん(39)は、ダニー・ボイル(Danny Boyle)監督の2019年の映画『イエスタデイ(Yesterday)』の予告編に俳優のアナ・デ・アルマス(Ana de Armas)さんが登場していたことから、それぞれが3.99ドル(約530円)を支払ってアマゾンプライムビデオ(Amazon Prime Video)で視聴したが、出演場面がカットされていたと主張。だまされたとして今年、配給元のユニバーサル・ピクチャーズ(Universal Pictures)を相手取り集団訴訟を起こしていた。
デ・アルマスさんは、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(No Time To Die)』や『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(Knives Out)』などで知られる。
米メディアが23日に報じたところによれば、訴状は、期待していたにもかかわらずファンは「アナ・デ・アルマスが全く登場しない映画を見る羽目」になり、「消費者にレンタルや購入への対価が一切提供されていない」と主張。損害賠償として少なくとも500万ドル(約6億6000万円)を求めている。
デ・アルマスさんは当初、本編はもちろん、予告編や一部の広告に登場していたが、最終版からカットされていたという。
一方のユニバーサル側は、予告編は言論の自由を保障する合衆国憲法修正第1条によって保護されていると主張し、スティーブン・ウィルソン(Stephen Wilson)連邦地裁判事に訴えを棄却するよう求めていた。
ウィルソン判事は、予告編は営利的言論であり、うそのない広告に関する法律が適用されるとしてユニバーサル側の主張を退け、「予告編は本質的に、映画の内容を消費者にあらかじめ示して作品を販売するための広告だ」としている。
AFPはユニバーサル側にコメントを求めたが、回答は得られていない。
次回審理は来年4月3日に行われる。(c)AFP