韓国で成長中の代替肉市場、でも語られ始めた「実際の肉より健康に良い?」
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【12月23日 KOREA WAVE】韓国で最近、健康・倫理・環境保護などの理由で植物性肉を求める消費者が増え、代替肉市場が成長している。国内の代替肉市場の規模は今年の約252億ウォン(約26億円)から2025年には295億ウォン(約30億円)に成長する見通しという。
植物性代替肉は、植物から抽出した植物性タンパク質を利用し、肉に似た形・食感を与える食材だ。植物性材料で作った代替肉は、実際の肉に似た味と質感がある。ただ、精製過程で人体への有効成分が消える可能性がある、というのが専門家の共通した見解だ。
植物性肉の基本材料は植物(えんどう豆・小麦など)だが、これらはほとんど、高度に精製された農作物だ。精製過程で農作物に本来入った食物繊維・ビタミンB群・ミネラル・不飽和脂肪酸・ポリフェノールなどが相当量失われる。
円光(ウォングァン)大学食品栄養学科のイ・ヨンウン名誉教授は「肉にはタンパク質・ビタミンB12・亜鉛・オメガ3脂肪酸など大切な栄養素が植物性肉より多く含まれている。肉のタンパク質は私たちの体に必要な必須アミノ酸9種類が、すべて完全タンパク質だが、植物性肉のタンパク質は、必須アミノ酸のうち1つか2つが抜けた不完全タンパク質」と説明している。
また、ウェルビーイング(身体的・精神的・社会的に良好な状態にあること)や安全性の面でも、植物性肉が良いとは考えにくいという指摘もある。一部の植物性肉には、血圧を上げるナトリウムが多く含まれている。
植物性肉が肉より環境保護に良いと知られる一方で、最近は畜産技術の発達により、肉の味を満喫しながら環境も保護できるようになった。湖西(ホソ)大学食品工学科のクォン・デヨン教授は「牛は、人が食べることのできない牧草や穀物を摂取した後、自ら摂取した質量より1.2倍多いたんぱく質を人に返す。牛は『アップサイクリング家畜』といえる」との見解を示している。
(c)NEWSIS/KOREA WAVE/AFPBB News