【12月22日 AFP】訪米中のウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は21日、米連邦議会の上下両院合同会議で演説し、米国のウクライナへの支援は施しではなく安全保障への投資だと述べ、継続の必要性を訴えた。

 トレードマークとなっているカーキ色のミリタリー調の服装で演説に臨んだゼレンスキー氏は、「家庭の温かさを大切にし、他の人々にも同じ温かさを願うすべての米国の家族に感謝する」と表明。新年は、対ロシア戦における「転換点」になるだろうと述べた。

 その上で、「あらゆる予想や悲観的な見通しのシナリオに反して、ウクライナは健在だ」と演説。「皆さんのお金は施しではない。世界の安全保障と民主主義への投資であり、われわれは最大限の責任を持って扱う」と語った。

 さらに、第2次世界大戦(World War II)や米独立戦争の最前線で戦った米国人を引き合いに出し、ロシア軍はナチス・ドイツ(Nazi)の総統アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)の「暴虐と同じ」やり方で「何もかもを燃やし、破壊している」と主張。「ウクライナは後には引かない。決して降伏しない」と強調し、拍手を浴びた。

 演説後は、たくさんのメッセージが寄せ書きされたウクライナ国旗をナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)下院議長に贈呈。訪米前日に訪れた東部前線のバフムート(Bakhmut)でロシア軍と戦うウクライナ兵から預かったものだと説明した。

 戦闘の終結が見通せない中、米国ではロシアによるウクライナ侵攻のニュースが減りつつある。来年1月に始まる新議会で下院の主導権を握る共和党からは、軍事支援継続に懐疑的な声が上がっている。

 映像は21日撮影・提供。(c)AFP