【12月23日 People’s Daily】海南熱帯雨林国家公園は、海南島の中南部に位置し、総面積は4400平方キロメートル以上で、中国で、最もよく保存され、最も大きい広域熱帯雨林を有している公園だ。同公園は、2021年10月の正式な設立以来、地域の状況に応じ、中核となる保護区の生態系移転を推進し、状況に応じた保護管理方法を実施し、緑の回廊を積極的に構築するなど、雨林の生態系の復元を続けている。

 海南省(Hainan)は2019年の国家公園体制への試行事業の開始以来、雨林の生態系の復元を最重要課題としている。2020年3月に、同省は生態系移転方案を発表し、国家公園の中核の保護区内において、11の自然村を指定し、合計470世帯、1885人の移住が必要であるとした。

「引っ越すことができ、住むことができ、豊かになれる」という生態移民の目標の実現のため、各市・県は苗への補償の他、仮設住宅の提供、公益的な職業などのあっせんに加え、地域の事情に応じた方案を制定し、立ち退き世帯の就職問題を解決している。海南省は、中核となる保護区内の人々の移住を指導するほか、国家公園内および周辺地域の機能ゾーニングを合理的に定め、状況に応じた保護管理方式を実施する計画だ。

 村人の立ち退きの後、海南熱帯雨林国家公園は中核となる保護区に緑の回廊を建設し、その空間を雨林の動植物に「返還」した。公園では、村落跡地の家屋や建物を取り壊し、要所に人工の緑の回廊を設け、動物たちの餌場を広げている。その後は、「自然修復+人工修復」の方法で、低標高の植生を補充しながら、生態系を復元していく予定だ。

 生態系の回復の強化の他、テクノロジーは海南熱帯雨林国家公園の生態系管理・保護に新たな保険をかけた。2021年、同公園は「スマート雨林」プロジェクトを立ち上げた。

「インテリジェントモニタリングシステムは、盗伐防止のための精密なモニタリングを可能にし、区域内の新種の発見にも役に立つ」。プロジェクトの一員の何聡(He Cong)さんは取材で、海南熱帯雨林国家公園が5年以内に7エリアの生態系モニタリングネットワークの敷設とスマート管理センターの建設を完了し、「天地空」一体化モニタリングシステムを構築し、国家林業・草原局の林業・草原生態系ネットワーク感知システムに組み入れ、希少種と絶滅危惧種と雨林生態系の変化を全面的に把握していくと述べた。

 海南熱帯雨林国家公園では、生態系の回復が進み、新種が次々と出現している。統計によると、過去3年間に、同公園では、9種の植物、6種の動物、13種の大型菌類といった、少なくとも28種の新種が発見されたという。(c)People’s Daily/AFPBB News