【12月22日 AFP】国連安全保障理事会(UN Security Council)は21日、ミャンマー軍事政権に対し、民主化指導者アウンサンスーチー(Aung San Suu Kyi)氏(77)らの解放を求める決議案を賛成多数で採択した。安保理がミャンマー情勢に関する決議を採択したのは初めて。

 ミャンマー軍政は2021年2月、クーデターで実権を掌握。スーチー氏を拘束したほか、軍政に反対する市民を弾圧している。

 決議では軍政に対し、スーチー氏や国民民主連盟(NLD)政権で大統領を務めたウィンミン(Win Myint)氏ら、恣意(しい)的に拘束している人全員を即時解放するよう強く求めた。さらに「あらゆる形の暴力を今すぐ終わらせる」ことを要求するとともに、「人権、基本的自由、法の支配」を尊重するよう訴えている。

 今回の決議は、ロシアによるウクライナ侵攻で分断された安保理が、比較的結束した瞬間となった。

 アントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は報道官を通じ「安保理が一つの力強い団結した声で発言する機会は、どのような問題であれ、特にミャンマーについてであれば、大いに歓迎する」とコメントした。

 採決では15か国中12か国が賛成し、常任理事国である中国とロシアに加えインドが棄権した。(c)AFP