【12月22日 AFP】イタリアでプレーする黒人ラグビー選手のPRシェリフ・トラオレ(Cherif Traore)は21日、所属クラブのチームメートからクリスマスプレゼントとして腐ったバナナをもらうという人種差別を受けたと明かした。

 ギニア出身で28歳のトラオレは、所属するベネトン・トレビーゾ(Benetton Treviso)のチームメートと行った「シークレットサンタ(ランダムで決まった別の参加者に匿名でプレゼントを贈るゲーム)」で、問題のバナナを受け取った。

 イタリア代表として16キャップを記録するトラオレはインスタグラム(Instagram)に「行為自体も差別的であったが、何より参加していた仲間が笑っていたことに傷ついた。まるですべてが普通のことのようだった」と投稿。「私は普段から人種差別的なジョークに対して平気を装うことに慣れているというか、慣れさせられている。(中略)だがきのうは違った」とした上で、「このようなことが二度と起きないように、今回は黙っていないことにした。プレゼントしてきた人が学んでくれることを願う」とつづった。

 トレビーゾはその後コメントを発表し、あらゆる人種差別や差別を非難すると表明。チーム全体がクラブ幹部との話し合いに呼ばれ、全選手がトラオレに謝罪したと明かした。

 トラオレも謝罪を受け入れ、バナナのプレゼントは「単なるおふざけの結果で、それ以外の何ものでもない」と、クラブを通じてコメント。「行動(謝罪)をうれしく思うと同時に今回の件でさらに強い集団になれることを願っている」と記した。(c)AFP