【12月21日 AFP】フィリピン外務省は21日、係争海域となっている南シナ海(South China Sea)にある無人の岩礁などで中国が埋め立て作業を始めたとの報道を受け、「深刻な懸念」を表明した。

 米ブルームバーグ(Bloomberg)は20日、米政府関係者から入手した画像に基づき、南沙諸島(スプラトリー諸島、Spratly Islands)周辺に新たな土地が出現したと報じた。南シナ海では近年、掘削機を積んで航行する中国船が目撃されている。

 比外務省は、「中国のこういった活動は、南シナ海に関する行動宣言と(同海での中国の領有権主張を否定した)2016年の仲裁裁判所の判断に反するものであり、深刻に懸念している」と警戒を示した。

 ブルームバーグによると、新たに埋め立てが行われているのはエルダド礁(Eldad Reef)、ウィットサン礁(Whitsun Reef)、サンディー礁(Sandy Cay)、ランキアム礁(Lankiam Cay)。

 ランキアム礁は、フィリピンが実効支配するロアイタ(Loaita)島から北東に13キロ、また中国が占領するスビ礁(Subi Reef)から53.3キロ離れた場所に位置する。

 中国外務省の毛寧(Mao Ning)報道官は、報道は「完全に事実無根」だと否定した上で、「南シナ海の無人島や岩礁での活動自粛は、中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国による行動と宣言で裏打ちされた厳粛な総意だ」と強調した。(c)AFP