【12月21日 AFP】アルゼンチンの大統領報道官は20日、サッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)を制した同国代表選手たちによる優勝パレードについて、大群衆のためオープントップバスでの開催を断念し、ヘリコプターで首都ブエノスアイレス上空を回ることになったと発表した。

 ガブリエラ・セルッティ(Gabriela Cerruti)報道官はツイッター(Twitter)に、「国民が喜びを爆発させて地上での継続が困難になったため、世界王者たちはパレードのルートの上空をヘリコプターで飛行している」と記した。

 アルゼンチンの優勝を祝うために多くの国民が沿道に押しかけたため、バスは予定されていた市の中心部まで30キロのルートをゆっくりと進んでいた。

 英雄たちをこの目で見ようと、数百万の人々が夜明けから複数のパレード地点に集まっていた。最も多くの人が集まったのは市中心部にある象徴的なモニュメント「オベリスク(Obelisk)」の周辺で、この場所は数十年にわたりスポーツに関する祝賀の中心地となってきた。

 アルゼンチンサッカー協会(AFA)のクラウディオ・タピア(Claudio Tapia)会長は、予定されていたバスでのパレードの中止を決定した警察を非難した。

 タピア会長は「オベリスクにいる全員にあいさつに行くことが許されていない。王者になった全選手に代わり、おわびする。残念だ」とツイートした。

 同日の未明にカタールから帰国した選手たちは、短い休息を取った協会の練習施設を出発したが、それから約5時間後には今回のニュースが知らされる結果となった。

 選手たちがヘリコプターで向かうといううわさが流れると、多くのファンは別の区画にある大統領府へと走り始めた。

 しかし、選手たちは予定されていたルートの上空を飛行し、その後練習施設に戻っただけだった。

 政府の関係者によれば、パレードに集まったファンの数は500万人から600万人と推定されているという。(c)AFP