【12月21日 People’s Daily】北京時間2022年11月12日午前10時3分、文昌衛星発射センターにおいて、「天舟5号(Tianzhou-5)」無人補給船を搭載した「長征7号(CZ-7)遥6」キャリアロケットが打ち上げられた。「天舟5号」は予定の軌道に乗った後、軌道上の宇宙ステーション複合体と自主高速ランデブー・ドッキングし、中国の宇宙飛行士は初めて宇宙ステーションで無人補給船を迎えることとなった。

 今回の任務は、中国宇宙ステーションのT字型基本構造の組み立てが軌道上で完了し、「宇宙速達」の初めてのお届けとなった。「天舟5号」は、地上から約400キロメートルの軌道を周回する中国宇宙ステーション複合体に向け、2時間自主高速ランデブー・ドッキングを初めて達成し、世界記録を樹立した。

 6.5時間の高速ランデブー・ドッキングに比べ、2時間高速ランデブー・ドッキング技術は、中国宇宙ステーションの長期軌道上運用において重要な意義がある。これにより、輸送時間が大幅に短縮され、物品の鮮度を保ったままの輸送が可能になるだけでなく、宇宙での緊急救助能力も大幅に向上できる。6.5時間から2時間への短縮は、ランデブー・ドッキング・機能の多様化、適応力の強化、中国の宇宙ランデブー・ドッキング技術の適応性と成熟度の高度化を意味する。

「天舟5号」は、中国にとって5番目の無人補給船であり、完全密閉型の無人補給船であり、貨物輸送能力が世界最大、軌道上支援能力が最も充実した現役無人補給船でもある。

 紹介によると、「天舟5号」には有人宇宙船「神舟15号(Shenzhou-15)」の乗組員3人の6か月分の食料品、医療品やその他の軌道滞在消耗品、推進剤、応用実験(試験)装置などの物資が積載されたほか、「マカオ学生科学普及衛星1号」、宇宙飛行用水素・酸素燃料電池、宇宙広域スペクトル高エネルギー粒子探査ペイロードやその他の実験プロジェクトも積載されているという。約6.7トンの物資と、約5.3トンの貨物(ペイロードを含む)、約1.4トンの補給用推進剤が、神舟15号の乗組員3人の6か月の軌道滞在、宇宙ステーションの組み立て・建設、宇宙利用分野への物資を保障する。

「天舟5号」の打ち上げ成功は、文昌衛星発射センターがある西昌衛星発射センターが完了した200回目の打ち上げミッションだ。これにより、同センターは中国で初めて200回の打ち上げを完了した宇宙発射センターとなった。

 近年、文昌衛星発射センターは徐々に新世代の大推力のキャリアロケットのための高密度打ち上げ能力を開発し、中国の地球近傍軌道の打ち上げ能力を10トンから25トンへ、対地同期軌道の打ち上げ能力を5.5トンから14トンへと飛躍させ、中国の宇宙進出能力を大幅に向上させた。(c)People’s Daily/AFPBB News