【12月18日 AFP】サッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)が閉幕に近づく中、AFPスポーツが今大会のベストイレブンを4-3-3のシステムで選出した。

■ゴールキーパー(GK)

 ・ウーゴ・ロリス(Hugo Lloris

 前回大会(2018 World Cup)王者フランスが今大会で再び決勝の舞台にたどり着く中、キャプテンを務めるロリスは傑出したパフォーマンスを披露した。フランスの弱点とみられることも少なくないロリスは、イングランドに勝利した準々決勝で素晴らしい活躍を見せると、モロッコとの準決勝ではさらに見事なプレーを披露した。

 今大会の期間中にはリリアン・テュラム(Lilian Thuram)が持つ同国の歴代最多出場記録を更新している。

■ディフェンダー(DF)

 ・ヨシプ・ユラノビッチ(Josip Juranovic

 クロアチアが決勝に進出した前回大会の後に台頭した、新世代の象徴であるユラノビッチは、スコティッシュ・プレミアシップのセルティック(Celtic)に所属する27歳の右SB。PK戦の末にブラジルを下した準々決勝で圧巻のプレーを披露した。

 ・ラファエル・バラン(Raphael Varane

 バランはロリス同様、前回大会を制したフランスの大黒柱となり、安心感を与えるその存在感はディディエ・デシャン(Didier Deschamps)監督にとって非常に重要だった。

 1か月の離脱を強いられていたバランはオーストラリアとのグループステージ初戦を欠場したが、その後スムーズに復帰を果たした。

 ・ヨシュコ・グヴァルディオル(Josko Gvardiol

 クロアチアの準決勝進出に貢献した20歳のCBグヴァルディオルは、今大会でも屈指の若手選手として頭角を現した。

 大会直前に鼻の骨を折ったために着用したフェースマスクが、ドイツ・ブンデスリーガ1部のRBライプツィヒ(RB Leipzig)に所属する同選手の将来性をさらに印象的なものにした。

 ・マルコス・アクーニャ(Marcos Acuna

 がっしりとした体格のアクーニャはアルゼンチンの一員として見事なプレーを見せていたが、荒れ模様となったオランダとの準々決勝で累積警告となり、準決勝では出場停止となった。

 それでも、スペイン1部リーグのセビージャFC(Sevilla FC)に所属する31歳のアクーニャは、左SBのポジションからオーバーラップした際に常に相手の脅威となった。

■ミッドフィールダー(MF)

 ・アントワーヌ・グリーズマン(Antoine Griezmann

 フランス代表で1年間ゴールを挙げられず今大会に臨んだFWのグリーズマンは、デシャン監督によって今大会で最も完成されたMFに変貌を遂げた。

 司令塔やチャンスメーカーとしてだけでなく、疲れ知らずの働き者にもなった31歳のグリーズマンは、特にイングランドとの準々決勝ではオリヴィエ・ジルー(Olivier Giroud)の決勝点を演出した。

 ・ソフィアン・アムラバト(Sofyan Amrabat

 アムラバトは、守備の堅さを武器に準決勝に駒を進めたモロッコの象徴的存在。

 オランダ出身で、イタリア・セリエAのフィオレンティーナ(Fiorentina)でプレーする26歳のアムラバトは休むことなく走り続け、相手の攻撃を崩す上で重要な役割を担った。サッカーのデータを扱うオプタ(Opta)によれば、今大会の7試合で51回のボール奪取を記録した。

 ・ジュード・ベリンガム(Jude Bellingham

 今大会のイングランドにとって最も前向きな要素は、ドイツ・ブンデスリーガ1部のボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)に所属し、ピッチ上で19歳とは思えぬ成熟度を見せるベリンガムの存在だった。

 イングランド・プレミアリーグのビッグクラブに加入するものとみられているベリンガムを結果的に売却する際、これでドルトムントはさらに高額な移籍金を期待できるだろう。

■フォワード(FW)

 ・リオネル・メッシ(Lionel Messi

 35歳になるメッシは、自身5度目にして間違いなくラストの大会となる今回のW杯で見事な活躍を見せている。アルゼンチンを決勝に導いたメッシは、W杯の決勝トーナメントで初ゴールをマークし、さらには華麗なアシストでゴールを演出している。

 ・リシャルリソン(Richarlison

 リシャルリソンがブラジルから唯一の選出となったのは、大会序盤の輝かしい活躍によりフランスのオリヴィエ・ジルー(Olivier Giroud)やアルゼンチンのフリアン・アルバレス(Julian Alvarez)よりも評価されたからだ。

 プレミアリーグのトッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)に所属するリシャルリソンは、勝利したセルビアとの初戦で間違いなく今大会のベストゴールである見事なオーバーヘッドシュートを決めた。

 ・キリアン・エムバペ(Kylian Mbappe

 24歳の誕生日を目前に自身2度目のW杯制覇を目指すエムバペは、フランスの左サイドから致命的な脅威を与えている。

 今大会では開幕からの4試合で5得点を挙げており、モロッコを下した準決勝でフランスが挙げた2ゴールは、いずれもエムバペのシュートが相手に当たったことから生まれたものだった。(c)AFP