【12月18日 Xinhua News】英海運調査大手クラークソンズ・リサーチによると、今年の世界の液化天然ガス(LNG)運搬船受注数は、すでに163隻と昨年通年の86隻を大きく上回り、過去最高を更新した。うち、中国の受注は45隻と3割近くを占め、契約額も約98億ドル(1ドル=約137円)と前年の約5倍となった。

 中国の造船会社の11月下旬時点のLNG船手持ち工事量は66隻で、世界の21%を占めた。ただ、世界で就航しているLNG船は710隻あり、中国で造船されたものは65隻と全体の9%にすぎない。

 中国の造船会社が18年に受注したLNG船10隻はいずれも中・小型LNG船で、1隻当たりの建造費も5600万ドルと当時の大型LNG船の1億8千万ドル超を大きく下回っていた。それに対し今年は、1~9月に受注した32隻の平均建造費がすでに1億8600万ドルを超えている。

 中国の大型LNG船建造は現在、主に中国船舶集団(CSSC)傘下の滬東中華造船(集団)が担っており、今年は33隻を受注した。一方で新規の市場参入も続いている。今年3月には同じくCSSC傘下の江南造船が、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ国営石油会社(ADNOC)の子会社「ADNOC L&S」と容量17万5千立方メートルのLNG船2隻の建造契約を結んだ。中国の造船会社が国際市場で大型LNG船を受注するのは初めてで、大型LNG船建造分野での中国造船会社と国際石油・ガス大手と直接協力の先駆けとなった。

 3月はさらに、大連船舶重工集団が海運大手の招商局能源運輸と2隻(+オプション2隻)の17万5千立方メートルLNG船の建造契約を結び、滬東中華造船(集団)と江南造船に続き、大型LNG船建造契約を締結した3社目の造船会社となった。

 10月には、民営造船大手の揚子江船業傘下、江蘇揚子江船業集団も欧州の船会社と2隻の17万5千立方メートルLNG船建造契約を締結。大型LNG船の受注としては4社目、民間で初の造船会社となった。同月はさらに、中国招商局集団傘下の招商局工業集団も仏造船大手GTT社から資格認証を取得し、大型LNG船建造市場への進出準備を整えた。(c)Xinhua News/AFPBB News