【12月19日 People’s Daily】中国南部の雲南省(Yunnan)科学技術局は東南アジアや南アジア諸国に「国際科学技術特派員」を派遣し、各地で技術協力や指導を行っている。

 中国南方電網雲南電網の技術者、陸海(Lu Hai)さんは瀾滄河ーメコン川国家電力技術国際協力共同研究所の設立に参加。「国際科学技術特派員として、電力技術や運用、管理の経験を共有しています」と話す。

 雲南省農業科学院熱帯・亜熱帯経済作物研究所の胡発広(Hu Faguang)准研究員は1年近く、ラオスで駐在中国企業にコーヒーの栽培技術を指導している。小規模に点在する産業構造を変えるため、道路沿いに集中して栽培することも提案。コーヒーが栽培されている6県すべてで専門家が指導し、大規模集中栽培が広がりつつある。

 雲南省科学技術局科学技術協力課の賀葳(He Wei)課長は「雲南省は東南アジア、南アジア諸国に近い地理的特性と産業上の優位性に基づき、各国の経済・社会の発展のため、科学技術面の協力を進めている」と説明。これまでにラオス、ベトナム、タイ、スリランカなど16か国に92 人の国際科学技術特派員を派遣している。雲南省昆明市(Kunming)で開発されたコチョウランとユリは、ベトナム市場で人気の品種となっている。中国ラオス再生可能エネルギー実験室は、ラオスの学校や病院に太陽エネルギー温水システムを提供している。

 初期の特派員の雲南師範大学の陳玉保(Chen Yubao)教授は「ラオス科学技術省新エネルギー・材料研究所、国家女性子ども病院、ビエンチャンの学校など二十数カ所で再生可能エネルギーモデル地区プロジェクトに参加しました」と話す。また、同大学太陽エネルギー研究所は、博士課程や修士課程の学生を招き、再生可能エネルギーの研究協力を進めている。陳教授は「彼らがラオスに帰国すれば、再生可能エネルギー研究の中核となるでしょう」と期待する。

 雲南省科学技術局の王学勤(Wang Xueqin)主任は「国際科学技術特派員が中国と近隣諸国と科学技術交流を促進し、国際協力の架け橋を築き、人と人との絆を促進していく」と述べている。(c)People’s Daily/AFPBB News