【12月15日 AFP】ブルガリアの冬はすぐそこまで来ているが、北部の山々の森には今もチェーンソーの音が響いている。切り出されたばかりのまきを運ぶため、馬たちはすぐそばに待機している。

 欧州がウクライナ侵攻に端を発したエネルギー危機に直面する中、ブルガリア国民の多くは暖炉用のまきを急いで買い求めた。人口650万人のブルガリアは、欧州連合(EU)加盟国の中では最貧国だ。

 ヤボル・ゲチェフ(Yavor Gechev)農相は最近、「まきは今も最も安い暖房手段で、昨年と比べ需要が3倍に増えた」と話した。

 ウクライナのドンバス(Donbas)地方から輸入している石炭が予定通りに納品されていないことを受け、ゲチェフ氏は必要以上のまきを買い込まないよう市民に呼び掛けた。

 ブルガリアの半数以上の家庭では石炭かまきの暖炉を使っている。特に停電が多い地方部でその割合は高い。(c)AFP/Diana SIMEONOVA