【12月16日 CNS】2022年1〜10月の新エネルギー物流車の累計販売台数は、前年同期比78.1%増の16万7000台となり、2021年の年間販売台数(13万1000台)を上回った。電気自動車資源産業研究所は、今年の新エネルギー物流車全体の販売台数は20万台を超えると予測している。しかし、中国の新エネルギー物流車の販売台数は、2020年には6万台にも満たなかったのだ。

 新エネルギー物流車の急速な発展の促進には、政策が重要な要素となる。「新エネルギー自動車産業発展計画(2021年−2035年)」は、2021年から、国家生態文明試験区、大気汚染防止重点区域の公的部門におけるバス、レンタル、物流配送等の車両の追加または更新の際に、新エネルギー車の割合を80%以上とすることを明確に打ち出している。

 この2年間、多くの宅配会社や自動車メーカーが新エネルギー物流の分野の計画実施を開始してきた。

 中国自動車流通協会商用車専門委員会の鍾渭平(Zhong Weiping)事務局長は、購入補助金の支給や通行権の自由化など一連の政策支援は、新エネルギー物流車産業の発展をさらに促進すると見ている。近年、国家レベルで新エネルギー車奨励政策が相次いで導入され、新エネルギー物流車の普及・適用の方向性が明確になったことと、2018年から多くの都市が通行権を開放し、新エネルギー物流車の適用を推進したことが相まって、新エネルギー物流車市場の順調な発展に弾みがついている。現在、政策と市場の両面から、新エネルギー物流車は、スーパー物流、速達輸送、家具・家電物流などのニッチ分野で広く利用されている。

 速達業界の急成長に伴い、都市部の末端の物流を担う商用車分野は、最も有望な応用シーンの一つとして注目されており、現在も電動三輪車が主役となっている。

 しかし、政策の方向性として、大中規模都市では電動三輪車に対する規制が強まっており、その代替となる政策を既に打ち出している都市もある。今年に入ってから、多くの都市で三輪自動車に対する制限的な政策が導入され、末端物流商用車市場に発展の余地が生じた。業界では末端物流配送電気自動車が新たな市場セグメントになる可能性があると見られている。

 科瑞コンサルティング(Kerui Consulting)が2022年初めに発表したレポートによると、新エネルギー物流車市場は形成されてから10年足らずで、まだ安定した循環的特性を示すに至っておらず、政策の影響により販売台数が大きく変動している。今後、新エネルギー物流車の技術レベルや製品品質が、その発展を左右する重要な要素になると考えられる。また、今後数年間は新エネルギー物流車の急速な発展期となり、2022年の新エネルギー物流車の販売台数は20万台に迫っていると予測している。(c)CNS-第一財経/JCM/AFPBB News