【12月15日 AFP】フランスのアングレーム国際漫画祭(Angouleme International Comics Festival)の運営団体は14日、一部の作品が小児性愛や近親相姦(そうかん)を連想させるなどと批判されている漫画家バスティアン・ヴィヴェス(Bastien Vives)氏(38)の参加を停止すると発表した。同氏に対し、脅迫があったためとしている。

 次回のアングレーム国際漫画祭は来年1月に開催される。その際、ヴィヴェス氏の特集が組まれることが明らかになり、抗議活動や反対署名運動が広がっていた。ヴィヴェス氏自身、インターネット上で複数の殺害予告を受けたと明らかにしている。

 運営団体は、ヴィヴェス氏の参加について、同氏や来場者の身を危険にさらす恐れがあり、参加を容認するのは「不可能だ」と説明。団体スタッフも脅迫を受けたという。

 ヴィヴェス氏は、「バンドデシネ(仏語圏の漫画)」部門で最も優れた若手作家の一人とされている。

 しかし、性器が異常に大きい10歳の少年を描いた「Petit Paul」について、不条理がテーマであるにもかかわらず小児性愛を助長しているとされるなど、一部作品が批判対象になっている。「Petit Paul」は2018年、書店から回収された。(c)AFP/ Hugues HONORE