【12月18日 AFP】エチオピアのディレダワ(Dire Dawa)駅を出発した列車は、キーキーと音を立てながら夜明け前の暗闇に消えた。何十年も前に製造された車両を照らしていた明かりはずっと前から壊れたままだ。

 近年開通した中国企業が手掛けた現代的な鉄道もあるが、フランスがエチオピア東部に建設した鉄道は、1世紀以上がたった今も、物流や人の移動になくてはならないものとなっている。

 週に2回、ディーゼル機関車がディレダワからジブチ国境の町デウェレ(Dewele)までの200キロを12時間かけ、旅客と貨物を運ぶ1955年製の車両をけん引する。

 現在使われている路線は、開通時の総延長784キロのごく一部でしかない。かつてはエチオピアの首都アディスアベバからアデン湾(Gulf of Aden)に面したジブチの首都までつながっていた。

 2016年からは、中国が建設した電車が両国の首都を結んでいる。所要時間は12時間から18時間だ。

 だが、フランスが鉄道職員を住まわせるために開発したディレダワでは、地元の住民が「中国の列車」と呼ぶ新線は誰もが満足するものにはなっていない。