【12月15日 AFP】新型コロナウイルスの影響で2020年から1年延期された東京五輪で、負傷者の割合が最も多かった上位5競技に新競技のBMXフリースタイル、空手、スケートボードが入っていたことが、14日に発表された調査で明らかになった。

 国際オリンピック委員会(IOC)の研究員が行った調査によれば、負傷者の割合が最も多かったのはボクシングとBMXレーシングで、出場選手の27パーセントがけがをしたという。

 英スポーツ医学誌「ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・スポーツ・メディシン(British Journal of Sports Medicine)」で発表されたこの調査では、以下BMXフリースタイルが22パーセント、スケートボードが21パーセント、空手が19パーセントとなっている。

 他の新競技では負傷者の割合は低く、スポーツクライミングが15パーセント、サーフィンが13パーセント、3人制バスケットボールが11パーセントだった。

 IOCの医療・科学部門に従事し、筆頭筆者を務めたトルビョン・ソリゴール(Torbjorn Soligard)氏は、AFPに「記録された半分以上のけがが、競技時間の損失に一切つながらなかったことに注目するのが重要だ」と明かした。

 IOCの研究員は、2008年の北京五輪から全ての大会でけがと病気の記録を追跡している。東京五輪では206の国と地域から出場した1万1300人以上のアスリートが観察され、記録されたけがの数は1000以上に及んだ。

 東京五輪全体で負傷した選手の割合は9パーセントで、北京五輪の10パーセント、2012年ロンドン五輪の11パーセント、2016年リオデジャネイロ五輪の8パーセントと同程度だった。

 新型コロナ対策の厳格な規制の下で行われた東京五輪では、病気をした選手の割合が100人あたり3.9人で、ロンドン五輪の7.2人、リオ五輪の5.4人と比較してこれまでで最も低かった。

 著者は「新型コロナウイルスを軽減するために大掛かりな対策がなされたことが、新型コロナや呼吸器系の感染症の減少に大きな要因になったのではないか」と述べている。

 新型コロナウイルスに感染したアスリートの数は、全体の0.2パーセント未満だった。(c)AFP