【12月14日 AFP】インドネシア東部の自然保護区の群島の開発権が、競売に掛けられることになった。ただ、環境保護団体の批判などを受け、競売の時期は来年1月に延期された。

 競売対象はウィディ保護区(Widi Reserve)内の島々。同保護区は100以上の島から成り、フィリピン、パプアニューギニア、ソロモン諸島など6か国をまたぐ世界有数のサンゴ礁海域「コーラル・トライアングル(Coral Triangle)」の一角を占める。海域は生態系が豊かなことで知られる。

 競売大手サザビーズ(Sotheby's)によると、群島の開発権は先週、米ニューヨークで競売に掛けられる予定だったが、来年1月下旬に延期された。

 売り手は、バリ(Bali)島を拠点とする開発業者リーダーシップ・アイランズ・インドネシア(Leadership Islands Indonesia)。同社はウィディ保護区の群島について、期間70年の管理権を保有している。

 同社は17の島に高級リゾートや住宅、プライベート滑走路を建設することが可能とうたっている。開発面積は、保護区全体の0.005%に満たないと主張している。

 これに対し、環境保護団体グリーンピース・インドネシア(Greenpeace Indonesia)の関係者は、「島々は生物の移動ルートに当たり、マングローブ林やサンゴ礁もある。生態系の再生にとって完璧な場所だ」とし、「観光目的ではなく、保全のために守られるべきだ」と訴えている。

 一方、海洋・水産省の報道官はAFPの取材に、同社は開発許可を取得していないと述べた。また、外国人による所有や売買は認められていないとしている。

 同社はこれに対し、現在海域を事業目的のために使用していないため、許可は取っていないと説明している。(c)AFP