【12月13日 People’s Daily】閩江の水源は武夷山国立公園西部の福建省(Fujian)南平市(Nanping)光沢県(Guangze)にある。1人あたりの水資源占有量は全国平均の12倍あり、水質も非常に良く、福建省で唯一全流域において水質が国家Ⅱ度以上の水準を満たしている。

 近年、同地域では「水辺の生態系銀行」というプラットフォームを通じ、水資源の集中的な開発利用や水質保護を基本的な前提として、ミネラルウオーターやエコ農業、観光など、水資源を生かしたエコな発展の道を模索している。

 2017年、光沢県水利局の陳正文(Chen Zhengwen)局長は県全域の水資源利用状況を調査させた。データによれば、全県の水資源総量は42億9900万立方メートルで、その開発利用率は5%に達しておらず、質の良い水資源に限れば、利用率はほぼ0%だったという。2018年、南平市は「生態系銀行」を設立し、豊かな自然資源という強みを生かして、これを資産・資本とするプラットフォームをつくろうとした。

「いわゆる水辺の生態系銀行は、銀行の概念を取り入れ、水資源の集中的開発利用に便宜を図るものです」と、光沢県水利局の二級主任スタッフを務める呉光明(Wu Guangming)氏は語る。

 ハイエンドなウナギの養殖を主力とする沢匯漁業は福建省内で水質の良いウナギの繁殖に適した場所を探しており、同時にウナギの加工、餌の生産など関連産業も体系的事業としてまとめようとした。彼らは水資源に関わる全体計画を済ませると、積極的に「水辺の生態系銀行」に委託を行い、光沢県との協業を決めた。

 現在、沢匯漁業の作業場では、ウナギが初めての出荷を迎えている。「生産量は5000トン前後の予定で、生産額は5億元(約98億円)になります」と、同社の責任者は述べる。

 近年、質の良い水資源に引かれて、光沢県には有名企業が多数進出している。高い水質が求められる茶葉、漢方薬などの、水資源と関連する環境配慮型の食品産業群が形成されつつある。2021年、光沢県全域における工業の生産額は32億8800万元(約644億8000万円)の増加となり、同期比8.4%の伸びであった。なかでも、食品製造業は同期比19.8%も伸び、2万1000人が安定した職に就いた。

 水と直接関係する産業を発展させる以外にも、きれいな水を生かして、基礎インフラの整備を併せて行い、美しい「水の里」をつくりあげる取り組みも行われている。

 2021年、光沢県内の3つの集落で、沿岸の美しい水景を活用した地域振興の模範モデルがつくられた。現在、ライトアップ、写真撮影や散策、キャンプ、サイクリング、釣りなどのアクティビティーが一体となった景観エリアが形成されてきている。(c)People’s Daily/AFPBB News