【12月13日 AFP】「何を見てるんだよ? ばか野郎。うせろ」─サッカーアルゼンチン代表のリオネル・メッシ(Lionel Messi)がW杯カタール大会(2022 World Cup)準々決勝のオランダ戦後、相手選手に言い放って母国の人々を喜ばせたこのフレーズが、マグカップやTシャツなどさまざまなグッズとして販売されている。

 オンライン上で拡散された動画では、サッカー界のスーパースターであるメッシが大荒れとなった9日の試合後のインタビューで記者から視線を外した後、オランダのボウト・ベグホルスト(Wout Weghorst)に向かって問題のフレーズを浴びせている様子が確認された。

 この試合で2点を先行したアルゼンチンは途中出場したベグホルストの2発で追いつかれたが、最終的にはPK戦を制して勝ち上がった。しかし、メッシはベグホルストにフリーキック(FK)を与えた主審の裁きに怒りを募らせていた。

 一方、アルゼンチン国内ではメッシの今回の辛口フレーズが、同国の伝説的選手で、ピッチ内外で騒動を起こす天才だったディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)氏と比較され、話題を呼んでいる。

 母国の商売人はこの機を逃さず、メッシのフレーズをプリントしたグッズを作成。マグカップが1600ペソ(約1300円)、Tシャツが2900ペソ(約2300円)、キャップが3900ペソ(約3100円)で売られている。

 服飾デザイナーのトニー・モルフェセさん(31)は「すぐにTシャツを作成した。このフレーズは大流行だ。なぜなら別の一面では、メッシは穏やかで控えめだからだ。だけど、人々は彼に対してディエゴ(・マラドーナ氏)のような、ちょっとした辛口な面を求めている」と話した。

 アルゼンチンの多くの人々にとって、メッシが使ったフレーズは街角で聞かれるものよりはるかにマイルドなものだという。3人の孫にTシャツを買ったグラシエラ・スキエンティーノさん(67)は「最高のフレーズだと思った」としつつ、アルゼンチンでの試合中に普段耳にするよりも「かなり素朴で優しい」と述べた。(c)AFP