【12月12日 CNS】中国の大都市部で「有料自習室」の人気が高まっている。北京市の繁華街・西単(Xidan)にある有料自習室は週末になると若者でいっぱい。人気の自習室は予約も難しい。

 有料自習室とは、時間に応じて料金を支払い、自習室の「座席利用権」を得るシェアリングエコノミーだ。主にオフィスビルに開設され、1時間あたり5元(約97円)から10元(約195円)を超えるものまでさまざま。2019年に中国で登場して以来、静かな空間を求める学生や会社員が使用している。

 ある利用者は「疲れた時、自習室の壁や机に書かれているメッセージや、周りの人が勉強する姿を見ることで、やる気を出すことができる」と話す。

 一部の学習室はスペースを「静かな学習エリア」「朗読エリア」「レジャーエリア」「プライベートルーム」などに分けている。無人管理と24時間営業を実現するため、スマートフォンを使った電子決済を取り入れている自習室が多い。利用者はスマホのアプリで座席と時間帯を選び、スキャンコードを使用して自習室に出入りできる。多くの店舗でサービスとして無料の文房具や耳栓、サイレントキーボード、プリンター、無料のコーヒーを用意している。

 有料自習室は大都市に多いが、図書館など公共文化施設が少ない地方都市でも広がりつつある。広西大学(Guangxi University)の李仕生(Li Shisheng)准教授は「有料自習室の増加は、多くの若者の間で『自己規律のためにお金を使う』という消費モデルが受け入れられていることを表している」と指摘。「有料自習室が公共文化サービスを補完するものになるよう、中国の行政機関が指導と監督を強化し、若者の学習ニーズを満たす必要がある」と提言している。(c)CNS/JCM/AFPBB News