【12月13日 CNS】美しい山と川に囲まれた中国。福建省(Fujian)屏南県(Pingnan)龍潭村(Longtancun)ではここ数年、貧困を克服するため文化産業に力を入れており、「村民画家」が次々と誕生している。

 村で暮らす農民や高齢者、障害者らは絵を描く基礎はほとんど無かったが、「誰もが芸術家である」という発想から絵筆を取り始めた。

 村人は古い家屋や倉庫をアトリエに改造。専門家の指導を受けながら、ほとんどすべての家で誰かが絵を描いている。珍しい農村の観光地として徐々に注目を集め、国内外の芸術家や美術学校の教師、学生らが訪れるようになり、過疎の村を活性化させている。

 食料雑貨店を経営する黄余清(Huang Yuqing)さんは店内に自身の絵をいっぱい飾っている。彼女は村で最も早く絵を学んだ一人だ。89歳の高(Gao)おばあちゃんは故郷の風景をテーマにし、素朴な絵が観光客に人気となっている。

 低身長症のため身長が1.2メートルに満たない沈明輝(Shen Minghui)さんは以前、路上で風船を売って生計を立てていた。2015年から油絵を学び始め、今はアトリエを兼ねて民宿を経営。壁に自分の作品を飾り、インターネットを通じて販売している。陳孝堅(Chen Xiaojian)さんと謝秀鳳(Xie Xiufeng)さんは夫婦で絵を描き始め、自宅を民宿に変えた。自然が美しい村の中、あちこちで村民たちがキャンバスに向かう光景が観光客たちの目を楽しませている。(c)CNS/JCM/AFPBB News