【12月12日 AFP】サッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)に出場しているクロアチア代表のブルーノ・ペトコビッチ(Bruno Petkovic)が、2試合連続でPK戦を制してベスト4に勝ち上がったチームの精神的な強さについて、独立を目指して闘ってきた国の歴史にルーツがあると話した。

 クロアチアは9日に行われたブラジルとの準々決勝で、ネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)に先制点を許したが、試合終了間際にペトコビッチが同点ゴールを挙げると、冷静にPK戦を制して勝利した。決勝トーナメント1回戦でも、PK戦で日本を下して勝ち上がっている。

 これはクロアチア代表にとっておなじみの流れで、チームは4年前のロシア大会でも、決勝トーナメントに入ってからの3試合を延長で制して決勝に進出した。そのうち2試合がPK戦での勝利だった。

 ブラジルの心を折る同点弾を決め、母国の英雄になったペトコビッチは「思うに(チームのメンタリティーの)理由の一つは、僕らが小国だということだ」と話し、「僕らは選手として若くても、どうやって自分たちの国ができて、1990年代に独立を勝ち取ったかを知っている」と続けた。

「親からそのことを教わる。闘って、懸命に努力しなければ、何も成し遂げられないことを学んだんだ」

 ベテラン選手の中には、90年代のユーゴスラビア紛争の影響を直接受けた選手もいる。ルカ・モドリッチ(Luka Modric)は難民生活を経験し、デヤン・ロブレン(Dejan Lovren)も子どもの頃に住んでいた家を追われた。

 代表は1998年のフランス大会で初めてクロアチアとしてW杯に出場し、優勝するフランスに敗れたがベスト4入りを果たした。4年前のロシア大会決勝でも、クロアチアは2-4でフランスに夢を打ち砕かれたが、再び4強の舞台へ舞い戻ったチームは自信に満ちているようにみえる。

 ペトコビッチは「僕らは試合ごとに成長していると思う。対戦相手がどんどん強くなるにつれ、僕らもどんどんよくなっている」と話している。

「個人的にも、あのゴールは大きな自信になった。延長に入ってもまだ自分たちを信じていたし、お互いを支え合っていた。個人レベルの自信というだけでなく、お互いを信じている」 (c)AFP/Simon EVANS