【12月12日 AFP】フィリピンの伝説的ボクサー、マニー・パッキャオ(Manny Pacquiao)が11日、韓国高陽(Goyang)で行われたエキシビションで引退後初めてリングへ復帰し、韓国の格闘系ユーチューバーと対戦した。

 元8階級王者で、62勝8敗2分けの成績を残したパッキャオは、現役中から政治家として働き、2016年から今年6月までは母国の上院議員を務めた。昨年9月にフィリピンの大統領選に出馬するため(結果は落選)、現役を引退。この日はウクライナやフィリピンのホームレスの人たちへの寄付金を集めるため、試合を行った。

 対戦相手のDK・ユー(DK Yoo)は韓国で人気の格闘家兼ユーチューバーで、これがわずか2回目のリング。前回の試合では総合格闘技大会「UFC」の元ファイター、ブラッドリー・スコット(Bradley Scott)とのエキシビションを行っていた。

 しかし、母国で「韓国のブルース・リー(Bruce Lee)」と称されるユーは、身長と体重で大きく勝るにもかかわらず、パッキャオに太刀打ちできず、2回終了後には明らかに疲れた様子で息を切らせていた。対して、来週には44歳になるパッキャオは、素早い動きで高速パンチを浴びせ、判定で勝利。試合後には、今後再びリングに上がることを示唆した。

 パッキャオは試合前からボクシングへの未練をほのめかし、この試合を「復帰に向けたいい試金石」と呼んでいた。「リングへ復帰するには絶好の機会」や「引退は簡単だと思っていたが、ボクシングが本当に恋しかった」とも話し、「引退後は孤独を感じた」と認めている。(c)AFP