引退間もないフェデラー氏に洗礼、ウィンブルドンの警備員に顔認識されず
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【12月10日 AFP】男子テニスで通算8度のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)制覇を成し遂げたロジャー・フェデラー(Roger Federer)氏(41)は、現役引退からわずか3か月で同大会会場の警備員に顔を認識されずに入場を拒否され、一般人の生活に慣れる必要に迫られている。
四大大会(グランドスラム)通算20勝を記録したレジェンドのフェデラー氏は、膝の故障で2021年のウィンブルドン以降プレーから遠ざかっていた中でその輝かしいキャリアに終止符を打つことを決意し、今年9月に英ロンドンで開催された欧州チームとワールドチームの対抗戦、レーバー・カップ(Laver Cup 2022)でテニスに別れを告げた。
そして先日、米人気テレビ番組「ザ・デイリー・ショー(The Daily Show)」に出演し、ウィンブルドンを最近訪れたときのエピソードを語った。同大会のグラス(芝)コートでは多くの対戦相手が同氏を倒せなかったが、オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(AELTC)の警備員はボールを強打せずにそれを成し遂げたという。
大会期間中の2週間以外は、ロンドン南東部の緑豊かなウィンブルドンの会場を訪れたことは一度もなかったというフェデラー氏は当初、時間が取れるかどうか分からなかったため、AELTCには自分が行くことについては伝えていなかった。しかし、家族の元へ帰る前に2時間ほど時間ができたため「さて、これからどうしようか? 空港に向かおうか? それとも、急いでウィンブルドンにお茶しに行こうか?」となり、ゲストが通常出入りするゲートへ車で向かった。
そこで車から降りて女性警備員に「やあ、ウィンブルドンの中に入るにはどうしたらいいかな? ドアはどこ? ゲートは?」と尋ねると、「『会員カードは持っていますか?』」と返されたという。ウィンブルドンの優勝者は自動的に会員になるため、フェデラー氏は「ええと、一つなら」と答えたものの、旅の途中だったためカードは持っていなかった。
コート上での紳士的な振る舞いで知られるフェデラー氏は、会員カードは携帯していないと説明しつつ、クラブ内に入れる道を教えてもらえるか尋ねたが、「『はい、でもメンバーでないと』」と返され、パニック状態になったという。そして、警備員にもう一度自分の顔を向けながら、かなり気が引ける思いで「私はこの大会で8度優勝している。お願いだから信じてほしい。私はメンバーなんだ。どこから入れるかな?」と聞いたと語った。
フェデラー氏は最終的に反対側に回ってクラブ内へ入ることに成功したが、それは同氏に気づいた一般のメンバーが別の警備員に知らせたおかげだったという。その後、女性警備員のところへ行って、中へ入れたと手を振ろうと考えたものの、「それはやめておいた」と明かした。(c)AFP