【12月11日 People’s Daily】香港から38カイリ、マカオ(Macau)から41カイリ、100キロ圏内に粤港澳大湾区(広東<Guangdong>、香港、マカオベイエリア)の11都市と5大国際空港がある。中国広州市(Guangzhou)南沙区(Nansha)は、大湾区の幾何学的中心にあり、珠江河口の両岸の都市群と香港・マカオを結ぶ重要な要衝になっている。

 南沙は、国家級新区から自由貿易試験区(FTZ)、粤港澳全面連携モデル区に至るまで、長年にわたり戦略的に昇格し、粤港澳大湾区の建設を推進する重要な担い手になっている。

 今年6月、中国国務院は、広州南沙と粤港澳地域の包括的協力を深め、香港・マカオと連携させ、世界に向かって大湾区を基盤とした重要な戦略的プラットフォームを構築する関連案を発表した。

 南沙区は政策的な支援を受けながら、質の高い発展を加速させ、技術革新の潮流を推し進めてきた。過去3年間、同区の科学技術型中小企業の数は年平均で106%増加し、620社以上の人工知能(AI)やバイオテクノロジー企業が集った。

 南沙の科学技術イノベーションの発展は、粤港澳地域の科学技術共同イノベーションに多くの新たな機会をもたらした。現在、国家スパコン広州センター南沙サブセンターは、香港・マカオ、海外の200以上の研究チームに対しサービスを提供している。

 粤港澳大湾区では、広深港(広州・深セン<Shenzhen>・香港)、広珠澳(広州・珠海<Zhuhai>・マカオ)科学技術イノベーション回廊をベースに、国際科学イノベーションセンターの建設を加速させている。南沙・粤港澳イノベーション協力モデル園の建設が真っただ中にあり、大湾区科学フォーラムの常設会場も南沙に決まり、正式に建設が始まった。南沙は革新的発展に向けて新たな一歩を踏み出している。

 南沙はその優れた地理的条件を生かし、対外開放の要地となり、世界をつなぐ貿易通路を形成している。南沙港は、世界で最も忙しい港の1つで、国内の技術力の結集により建設された中国初の全自動コンテナふ頭でもある。同港は、10万トン級の大型船用バース4か所とそれを支えるコンテナバージバースを備えており、その2021年のコンテナ取扱貨物量は1766万TEU(1TEUは20フィートコンテナ1個分に相当)にのぼった。2022年8月時点で、世界200以上の港町に150の対外貿易航路が開通している。

「南沙は、国際ハブ港、貿易円滑化政策制度の優位性を頼りに、グローバル優品選別センター、グローバルトレーサビリティシステムなどの貿易デジタルサービスブランドを構築し、粤港澳大湾区の『グローバルにものを買い、ものを売る』貿易通路の構築を加速し、国際サプライチェーンのハブサービス機能を強化している」と、広州南沙開発区の政府職員の劉家君(Liu Jiajun)氏は述べた。(c)People’s Daily/AFPBB News