【12月9日 AFP】サッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)でイラン代表チームの敗戦を喜んでいた同国の男性が先月射殺された事件で、地元警察の署長が逮捕されたと、同国メディアが遺族側の弁護士の話として伝えた。

 司法府の公式ニュースサイト「ミザン・オンライン(Mizan Online)」では先日、北部ギラン(Gilan)州のバンダレアンザリー(Bandar Anzali)市内で先月30日にメフラン・サマク(Mehran Samak)さん(27)が散弾銃で撃たれて死亡したと報じられた。

 警察関係者は今月7日に国営イラン通信(IRNA)に対し、同国が政治的敵対関係にある米国に敗れた後、「集会の最中」にサマクさんが殺害されたと明かした。イランのグループリーグ敗退決定により、政府を支持するサポーターと反政府派のサポーターからさまざまな反応が出ていた。

 IRNAはまた、ギラン州の法律顧問であるマフムード・ラジャビ(Mahmoud Rajabi)大佐の話として「メフラン・サマクさんは銃撃され、そのけがが原因で不幸にも亡くなった」と伝えた。また、捜査では「複数の容疑者が逮捕された」としながらも容疑者の特定はしておらず、「バンダレアンザリーの元警察署長であるジャファル・ジャバンマルディ(Jafar Javanmardi)大佐を含め、複数の人物が捜査されている」と報じていた。

 タスニム(Tasnim)通信は、サマクさんの家族の代理人弁護士であるマジド・アフマディ(Majid Ahmadi)氏が、地元警察署長が逮捕者の一人であると、ソーシャルメディアに投稿したと報じている。同氏はジャバンマルディ氏が「メフラン・サマクさんを死に至らしめた」銃器の使用に関する法律違反で訴追されたと主張しているという。

 地元警察は同通信に対し、この投稿をめぐってアフマディ氏を提訴する意向を示した。(c)AFP