植毛手術後に死亡、YouTubeで独学の素人施術が横行 インド
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■8時間にも及ぶ手術
マヤンク・シン(Mayank Singh)医師は、ニューデリーの高級エリアにある自身の富裕層向け診療所で、月に最大15件の手術を手掛けている。
患者の大半は25~35歳で、結婚したい、見た目が重要な仕事でキャリアを積みたいといった理由で診療所を訪れる。手術費用は約35万ルピー(約60万円)で、1日2ドル(約270円)未満で暮らす人が数百万人いるインドでは高額だ。
訓練を受けていない人が施術するいかがわしい診療所では、わずかな費用しか掛からない。
インド毛髪外科医師会(AHRS India)の幹部でもあるシン氏は、偽医師により業界全体の評判が落ちていると指摘する。「ちょっとした手術だという作り話を信じている人もいるが、手術時間は極めて長く、6~8時間にも及ぶ」と述べた。
「局所麻酔を多用し、時間をかけて投与する。何をすべきかという知識がない人が行うには危険な施術だ」
インドの国家医療委員会(NMC)は9月、基準に満たないサービスを割安な価格で提供する診療所の急増を受け、警鐘を鳴らした。
NMCは「ユーチューブなどでワークショップを見ても、植毛手術のような美容外科手術を行う訓練とはならない」と指摘。植毛手術を行うのは、適切な訓練を受けた医師に限るべきだと述べた。(c)AFP/Abhaya SRIVASTAVA