【12月8日 AFP】イランの最高指導者アリ・ハメネイ(Ali Khamenei)師(83)の妹バドリ・ホセイニ・ハメネイ(Badri Hosseini Khamenei)さんが、同師の「専制的」な統治を非難し、国内で続く抗議デモへの支持を表明する書簡が7日、公開された。

 同国では、頭髪を覆うスカーフ「ヒジャブ」の着用方法が不適切だったとして逮捕されたクルド系女性マフサ・アミニ(Mahsa Amini)さん(22)が9月16日に死亡したことを受け、抗議デモが続いている。政府の発表ではデモでの死者数は200人余りとされているが、ノルウェー・オスロに拠点を置く人権団体「イラン・ヒューマン・ライツ(Iran Human Rights)」は子ども63人を含む少なくとも458人のデモ参加者が治安当局により殺害されたとしている。

 ハメネイ師は、イランと敵対する米国とその同盟国がデモを扇動していると非難。イラン当局はデモを「暴動」と呼んでいる。

 イラン在住とみられるホセイニ・ハメネイさんは、フランス在住の息子マフムード・モラドハニ(Mahmoud Moradkhani)さんがインターネット上で公開した書簡で、「私は兄の行動に反対している」と言明。ハメネイ師による統治を「専制的カリフ制」と呼び、1979年のイラン革命を主導したルホラ・ホメイニ(Ruhollah Khomeini)師の統治時代から現在まで続くイラン政府の「罪」を憂いているすべての母親に同情すると表明した。

 また、「私の関心はこれまでも、これからも、イランの人々、特に女性たちにある」とし、「人々の勝利と、イランを支配するこの暴政の転覆を早期に目にしたいと望んでいる」とした。(c)AFP