【12月11日 Xinhua News】中国広東省(Guangdong)広州市(Guangzhou)の西漢南越王博物院は、前漢時代に中国南部からベトナム北部に存在した王国、南越国の重要遺跡に建てられた大型遺跡博物館で、王墓と王宮の二つのエリアに分かれている。

 南越王墓は、第2代南越王、趙眜(ちょう・ばつ)の陵墓で、中国嶺南地区(主に広東省、広西チワン族自治区、海南省)でこれまでに発見された漢代彩色石室墓の中で、被葬者の身分が最も高く、規模も最大で、保存状態も良い。墓からは1万点(組)余りの遺物が出土した。 

 中でも「絲縷玉衣(しろうぎょくい)」は、これまでに出土した前漢時代の玉衣(玉製の喪衣)の中で最も完全な状態かつ最も年代が古く、絹糸で玉片をつなぎ合わせた唯一の玉衣として知られる。趙眜の玉璽(ぎょくじ)「文帝行璽(ぶんていぎょうじ)」は、これまでに発見された前漢時代の金印の中で最も大きく、「犀角形玉杯(さいかくけいぎょくはい、犀角はサイの角の意)」は漢玉の希世の宝として名高い。 

 西漢南越王博物院の建築面積は1万7400平方メートル余り。王墓を中心に、山に沿う形で建てられており、嶺南地区の現代建築の傑作とされる。王宮エリアには、石造りの大型池や水渠など御苑の園林と水景の名残を残す遺構や遺物が展示されている。南越王宮遺跡は、中国の宮中庭園の最も古い実例となっている。(c)Xinhua News/AFPBB News