【12月8日 Xinhua News】ブルンジ・ブバンザ県の農家、シャル・ヌグンダクマナさんが食料不足から抜け出し、一家の暮らしが豊かになり、新居ができるまで、わずか4年しかかからなかった。

 6人の子どもを育てたシャルさんは「中国の農業専門家が種と化学肥料を提供し、稲作技術を教えてくれたおかげで、子どもたちを十分食べさせることができた」と語った。シャルさんは4年前、中国の専門家の指導を受け、ハイブリッド米の栽培を始めた。1ヘクタール当たり約6トンだった収量は9トンに増え、栽培面積も0・5ヘクタールから5ヘクタールに拡大した。

 ブルンジはアフリカ大陸東部の内陸に位置し、熱帯気候で雨が多く、稲作に適した自然条件を持つが、地元のコメ品種は単位面積当たりの収量が少なく、食料不足に悩まされていた。

 中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC)の枠組みの下、中国はブルンジ政府との合意に基づき、2009年8月から同国を支援する技術協力プロジェクトを実施している。これまで5回にわたり農業専門家延べ45人を派遣して農業技術援助事業を行い、現地の22の村で貧困脱却・削減モデル事業を展開した。

 中国の農業専門家は長年にわたり、ブルンジで稲作を行う15県に足を運び、調査研究を実施。現地に適した8品種を選定、導入し、山間部で多発していた「いもち病」による収量減や収穫ゼロの課題を解決し、一部品種の現地生産を実現した。

 シャルさんが住むブバンザ県ギハンガ郡の4村は中国の農業専門家がブルンジで初めて設立した貧困削減のための水稲栽培モデル村となっている。村では5季連続のハイブリッド米栽培を通じ、コメ1661トンの増産を実現。世帯平均所得は6千ドル(1ドル=約137円)増加し、村全体の衣食住の問題が解決した。

 中国の専門家グループは、23年3月までにブルンジでのハイブリッド米栽培面積を4千ヘクタールに増やす計画で、コメ収量が20年3月比で1万5千トン、収入が750万ドルそれぞれ増加すると見込んでおり、同国政府が提唱する「すべての人に食料を、すべての家庭に貯蓄を」とのビジョン実現に期待を寄せている。

 専門家グループはこれまでに80回以上、延べ3千人以上を対象とした研修を実施。ブルンジの水稲産業の自主的で持続可能な発展のために人材を送り出し続けている。研修を受けた若者は学んだ技術を活用し、現地の人々を富裕の道へと導いている。(c)Xinhua News/AFPBB News