【12月7日 AFP】第2次世界大戦(World War II)中、ポーランドに設置されたナチス・ドイツ(Nazi)の強制収容所で秘書として働いていた女が、1万人以上の殺害をほう助した罪に問われた裁判で、審理最終日の6日、被告が起訴内容について初めてコメントした。

 弁護人がAFPに語ったところによると、ドイツ北部イツェホー(Itzehoe)の裁判所に出廷したイルムガルド・フルヒナー(Irmgard Furchner)被告(97)は「起こったことすべてについて残念に思っている」と表明。自身が勤務していた強制収容所の名前に言及し、「当時シュトゥットホーフ(Stutthof)にいたことを後悔している」と語った。

 ナチス時代の犯罪で女性が起訴されることは、ここ数十年間なかった。検察当局は、ホロコースト(Holocaust、ユダヤ人大量虐殺)での犯罪行為をめぐりドイツで開かれる裁判としては最後のものの一つになるかもしれないと述べている。

 被告は昨年9月の裁判開始直前、住んでいた高齢者施設から逃亡。数時間後に近くのハンブルク(Hamburg)で拘束され、5日間拘留された。

 被告は犯罪行為の疑いがあった当時、10代だったため、少年裁判所で裁かれている。検察側は、執行猶予付き禁錮2年を求刑。一方、弁護側は、被告が大量虐殺の事実を知っていたと断定する証拠が不足しているとして、無罪を主張している。

 判決の言い渡しは今月20日の予定。(c)AFP