【12月7日 AFP】サッカー元カメルーン代表のスター、サミュエル・エトー(Samuel Eto’o)氏(41)は6日、アルジェリア人サポーターの顔への膝蹴りを謝罪したが、物議を醸したW杯カタール大会(2022 World Cup)のアフリカ最終予選以来、自身が同国サポーターによる「しつこい挑発」の標的にされてきたことを強調した。

 カメルーンサッカー連盟(FECAFOOT)の会長で、今大会のアンバサダーを務めるエトー氏は、4-1でブラジルが韓国に勝利した5日夜の試合後に近づいてきた男性に激怒した。

 ソーシャルメディアで拡散された動画では、アフリカの年間最優秀選手に4度選出されたエトー氏が、自制を求める側近の制止を振り切り、ブロガーのサドウニSM(Sadouni SM)さんの顔を膝蹴りした様子が確認できる。

「暴力的な口論」に巻き込まれたことを認めたエトー氏は、「われを失い、自分のパーソナリティーにそぐわないやり方で反応してしまったことを謝罪したい」と述べた。

 ところが、現役時代にスペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)やイタリア・セリエAのインテル(Inter Milan)、イングランド・プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)のストライカーとして活躍したエトー氏の謝罪は「世間」に対するもので、サドウニSMさんに謝るそぶりは一切なかった。

 今年3月のアフリカ最終予選でカメルーンがアウェーゴール差によりアルジェリアに勝利すると、これを境にアルジェリアのサポーターの振る舞いが悪化したとエトー氏は批判した。アルジェリア側はその後、国際サッカー連盟(FIFA)にこの試合を裁いた審判への不満を訴え、当初は再戦を要求していた。

「一部のアルジェリアファンによるしつこい挑発と、日々の嫌がらせに抵抗し続けることを誓う」と述べたエトー氏は、「自分は根拠のない侮辱、そして詐欺師呼ばわりの標的となってきた」と続けた。(c)AFP