【12月7日 Xinhua News】中国四川省(Sichuan)の四川大学華西医院は5日、同医院が開発した新型コロナウイルス感染症向けの遺伝子組み換えタンパク質ワクチン(Sf9細胞)「威克欣」がこのほど、国の関係部門によって緊急使用が承認されたと発表した。昆虫細胞技術プラットフォームによって生成されたタンパク質を元に作られた新型コロナウイルスの組み換えタンパク質ワクチンが、中国で緊急承認されるのは今回が初めてとなる。

 同医院生物治療国家重点実験室のワクチン研究開発チームは、中国国務院合同予防・抑制メカニズムの科学研究難関攻略グループから資金提供を受ける五つの新型コロナワクチン研究開発技術ルートの一つに属する。

 研究開発チームのデータによると、「威克欣」は新型コロナウイルスの原型株や変異株に対し、有意に高い中和抗体を誘導し、既存のワクチン免疫をベースに、接種によって免疫を強化することで、より強い免疫反応が得られる。「威克欣」は調製技術の面で先進的な生産技術を駆使し、新型コロナウイルスの遺伝子に昆虫細胞を組み込み、新型コロナウイルスのSタンパク質を調製し、人体にウイルス感染を阻止する抗体産生を誘導することで、大量生産を実現した。昆虫細胞を活用して製造された組み換えタンパク質コロナワクチンは、タンパク質の発現が良好で安全性も高い。

 現在、この技術ルートは世界のワクチン生産で応用されており、インフルエンザワクチンや子宮頸がんワクチンの組み換えタンパク質ワクチンなどの製品が実用化されている。(c)Xinhua News/AFPBB News