【12月8日 Xinhua News】中国工業・情報化部はこのほど、「国家先進製造業クラスター」45カ所のリストを公表した。長江デルタ地域(上海市・江蘇省・浙江省・安徽省)の先進製造業クラスターが18カ所で全体の40%を占め、うち江蘇省が10カ所で総数が全国トップとなった。都市別では上海市、江蘇省蘇州市、同省無錫市からそれぞれ3カ所がリスト入りした。同地域は数の上で他の省・自治区・直轄市をリードしているだけでなく、集積効果も際立っている。

 産業の分布状況をみると、長江デルタ地域の産業クラスター18カ所の大半をハイエンド設備や情報技術(IT)、バイオ医薬などの新興産業が占め、リスト入りしたのはいずれも各地が重点的に形成している特色ある主要産業だった。安徽省合肥市のスマート音声産業クラスターは音声認識技術大手の科大訊飛(アイフライテック)などの企業が軸となって形成された「中国音声バレー」で、中国で初めて人工知能(AI)分野の国家級産業拠点でもある。「中国音声バレー」は今後、世界規模の音声産業クラスターの形成を見据えており、2025年には総生産額を5千億元(1元=約20円)に拡大する目標を掲げている。

 長江デルタ地域では、隣接する複数の都市が共同で先進産業クラスターを形成する状況も数多く見られる。江蘇省の南通市、泰州市、揚州市は海洋エンジニアリング・ハイテク船舶産業クラスター、泰州市、連雲港市、無錫市はバイオ医薬クラスター、蘇州市、無錫市、南通市はハイエンド繊維クラスターを共に形成している。

 また、地理的に近い蘇州市、無錫市、南通市の繊維産業も集積が進み、集団で発展し、今では名実ともに「繊維のナショナルチーム」に成長している。統計によると、この産業クラスターは繊維や紡績、紡織、捺染から川下のアパレル、ホームテキスタイル、産業用繊維などの繊維産業チェーン全体を網羅し、8500社以上の繊維企業を集めている。(c)Xinhua News/AFPBB News